通信制高校は自宅で自由に学習できるのが最大の特徴であり、良さです。
全日制高校のように毎日通学して6時限目まで拘束されるといったことがないので、勉強時間も自由に決める事ができます。
全日制高校の場合は、ほとんどの学校がアルバイトは禁止にしていますが、通信制高校はどうなのでしょうか?
目次
通信制高校はアルバイトができるの?できないの?
結論から言うと、通信制高校に通いながらアルバイトをするのはOKです。許可されています。
通信制高校の学習方法は、レポートの提出、スクーリングなどへの参加、テスト(単位認定試験)の3つになります。
レポートの提出は自宅で学習して提出するものなので、わざわざ登校する必要はありません。
スクーリングは年間20日程度の出席が卒業条件になっている所が多いです。スクーリング以外に週1日以上登校することが義務付けられている学校もありますが、それ以外は基本的には自由です。
テストは年間で1回または、2回程度行われますが、これも時期が決められていますので、その日以外は自由に時間を使うことができます。
その為、昼間はアルバイトをして夜勉強をするなどのライフスタイルを自分で決める事ができます。
高校自体も、将来の為に社会勉強をすることを推奨している所が多いので、アルバイトは禁止していないのです。
アルバイトに学校の許可は必要?
通信制高校自体がアルバイトを推奨しているからといって、勝手に働きだすのは避けた方が良いでしょう。もしアルバイトをするのであれば、学校側に必ず届け出をする必要があります。
届け出をする時に、アルバイトをする理由を聞かれることがありますが、正直に理由を話せば問題ありません。
また、中には面接のやり方や履歴書の書き方などを指導してくれる学校もあるので、相談してみると良いでしょう。
通信制高校でアルバイトをする理由
通信制高校に通いながらアルバイトをする生徒は、実は結構多いです。
通信制高校の生徒のほとんどがアルバイトをしていると言ってもいいくらいなので、これは全日制高校にはない大きな特徴と言えます。
では、なぜアルバイトをするのでしょうか。
比較的多い理由をまとめて紹介します。
学費を自分で稼ぐため
金銭的な理由で通信制高校に転入してくる生徒も多いです。
通信制高校の学費は全日制高校に比べるとリーズナブルなため、アルバイト代で支払うことも可能です。
通信制高校の学費は学校によって大きく異なりますが、公立で平均3万円程度、私立でも30万円前後であるのが相場となります。
しかし、中には100万円程度かかる学校もあるので、自分で学費を稼ぐなら事前に通っている学校または、これから通いたい学校の学費を調べておくようにしましょう。
社会経験を積むため
アルバイトと言えども基本的な社会人としてのマナーは大事になります。
そんな社会人としてマナーを、アルバイトを通して学習しながら人とコミュニケーションをとる能力を高めようとする生徒もいます。
自宅学習が中心となる通信制高校では、人と接する時間や機会は少なくなりがちなので、アルバイトを通して社会と接するというわけです。
中でも接客業は、相手が何を欲しているのかを見抜く力を養うことができます。
高校を卒業して、進学をするにしても就職をするにしても、初対面の相手と堂々とコミュニケーションをとれるようにしておけば、慌てずにすみます。
また、アルバイトを通して得た社会経験や基本的なマナーは、必ず役に立ちます。
将来就きたい仕事のため
通信制高校に入学した段階で将来の夢をしっかりと持って、いち早くその業界の事を知るためにアルバイトをする生徒もたくさんいます。
例えば、福祉関係の仕事をしたいと考えて、シニア向けのマンションのコンシェルジュのバイトを選択する人もいます。
起業したいと考えたら、ITベンチャーでアルバイトをしたりする選択肢もありでしょう。
IT関係ならば求人もたくさんありますし、プログラミングやデザインなどの技術を身につけることも可能です。
また、設立したばかりの小さな会社であれば企業家の方に直接話を伺うことができる可能性もあります。
高校生可能なアルバイトにはどんなものがあるのか
通信制高校であればアルバイトをしても学校側から注意されることはありません。
通信制高校に通っている生徒は、中学を卒業してそのまま進学した人もいれば、二十歳をこえた成人の人もいます。
成人していればどんな仕事でもすることができますが、10代の場合は高校生でも可能な仕事を探す必要があります。
通信制高校と言えども高校の一形態であることに変わりはないので、在校生であればまぎれもなく高校生なのです。
では、高校生でも許可されているアルバイトにはどういったものがあるのでしょうか。
コンビニのアルバイト
コンビニのアルバイトは、高校生でも可能なことが多いです。
どのコンビニチェーン店であっても働き方のマニュアルや仕事のマニュアルなどがしっかりとあるので、接客業が初めてであっても問題ありません。
コンビニであれば店舗数が多いため、自宅から歩いていける店舗を選択することができます。
歩いて出勤ができれば交通費と時間も節約ができるでしょう。
また、シフトの融通もききやすいので勉強との両立も可能です。
ファーストフードなどのアルバイト
ファーストフードもコンビニ同様にマニュアルや研修期間などがしっかり整っているので初めて働く高校生でも馴染みやすい職場になります。
同じ通信制高校の生徒もたくさん働いているのが多い為、バイト仲間との出会いを楽しみながら仕事をすることができます。
倉庫や工場などでの軽作業のアルバイト
ベルトコンベアなどで運ばれてくる商品の仕分けや箱の中に不備がないか検査する検品作業、倉庫から荷物を集めてくるピッキングなどの仕事がメインになりますが、覚えやすく難しいものはありません。
短期での採用もたくさんあるので、勉強が忙しくない時にだけ働いたり、お金が必要になったら働いたりすることも可能です。
高校入学してすぐアルバイトはできないの?
中学を卒業してそのまま高校に入学した生徒の場合、年齢が16歳になっていないことがあります。
アルバイトとして雇うことが可能な年齢を16歳からとしている所もあるので、そういった場合はそもそも面接をしてもらえない可能性があります。
また、労働基準法で「児童が満15歳に達した日以降の最初の3月31日が終了するまでは、これを使用してはならない」と義務付けられています。
その為、高校に入学してもすぐにアルバイトをするのは不可能です。
しかし、4月1日を過ぎている場合は、法律上はアルバイトをすることができます。
高校生であっても問題ない場所であれば16歳にっているかなる年であれば働くことができます。
ただし、職場によっては誕生日を過ぎていないといけないなどの細かいルールがあることがるので、必ず確認しておきましょう。
通信制高校の学生はアルバイト採用されやすいのか
全日制高校の場合は、働ける時間が夕方以降に限られますし、高校生の場合は働けるのは10時までとなります。
対して通信制高校は、学習時間等の融通が利きやすく、空き時間を作りやすいので雇う側としては魅力的な条件です。
しかし、インターネット上ではアルバイトに受かりにくいと言われています。
では、なぜ受かりにくいのでしょうか?
通信制高校の生徒がアルバイトに受かりにくい理由
経験が浅く、シフトが合わないなどの理由がある
人手不足の職場であればハードルは低くなっていることがありますが、人手が足りている場合は新しく雇う人のハードルは高くなっていることがあります。
アルバイト自体が初めてで、勉強の為に週1日数時間程度からと考えている場合、仕事を覚えたり教えるのに時間がかかります。
そうすると仕事が一人でできるようになるまでには時間がかかってしまい、即戦力にならないと判断されてしまいます。
その為、同業者で経験がそこそこあり、週3日以上働ける人などの即戦力になれるような人を採用してしまうことも考えられます。
すぐに辞める可能性があると判断されてしまうことがある
アルバイトを小遣い稼ぎくらいの感覚で始めようとする人もいます。
通信制高校の生徒の中には、バイト代は小遣いとして好きなものを購入しているという人もいます。
しかし、履歴書に「お小遣いが欲しいから」とう書いてしまうと印象が良くなく、「すぐに辞めてしまう可能性がある」と思われてしまうことがあります。
その為、「お小遣いが欲しいから」という理由よりも「学費の為にお金が必要だから」と書いた方が好印象を与えることができます。
なぜかと言うと、学費の為に働くならすぐには辞めないだろうと判断されるからです。
しかし、嘘を書いてはいけないので、小遣い稼ぎであったとしても多少学費の足しにするようにしましょう。
通信制高校の生徒を歓迎する職場も存在する
アルバイトを採用する側としては、ある程度時間があり、融通が利く人を雇いたいものです。
その為、通信制高校の生徒は条件としてぴったりなので歓迎している所も少なくないのです。
履歴書に学歴を書く際は堂々と「通信制高校在学中」であることを書くようにしましょう。
また、学校の中には履歴書の書き方を指導してくれるところもあるので、相談してみると良いでしょう。
通信制高校の生徒が「高校生不可」のアルバイトに応募することはできるのか
意外と誤解をされやすいのですが、通信制高校の生徒でも高校生不可のアルバイトに応募することは可能です。
通信制高校は、高校の一種ではありますが、通っている生徒は16歳~18歳とは限りません。中には30代40代の生徒います。
その為、高校でありながらも特殊な立ち位置になるのです。
高校生不可にしているお店は、そのほとんどが「試験勉強や学校の行事で仕事を休まれると困るから」です。
その為、時間の融通が利きやすい通信制高校の生徒であれば、すんなりと面接に合格するケースはあるのです。
若さ、経験の浅さなどを理由に学生を不可にしている場合は、「18歳未満不可」としていることが多いです。
その為、高校生不可だから応募できないと思うことはありません。
アルバイトをするデメリットはあるのか
通信制高校に通いながらのアルバイトはメリットだらけに思えるかもしれませんが、実はデメリットもいくつかります。
アルバイトに熱中しすぎて勉強がおろそかになってしまう
通信制高校の勉強は、自学型です。
スクーリングと言われる登校日は週に1日以上あることが多いですが、その他の日に関しては個人の自由に任されています。
そうなると、お金が稼げる分アルバイトに熱中してしまい、勉強がおろそかになってしまう可能性があります。
通信制高校に入学した生徒のほぼ全ては高校卒業を目標としています。その為、学費や社会勉強の為とはいえ、アルバイトメインの生活にならないように注意する必要はあります。
高校を卒業しても就職しなくなってしまう
通信制高校に通っていた生徒の多くは、大学進学、専門学校進学、就職のいずれかの選択をしています。
しかし、約4割程度の人は卒業後の進路が未定であったと、平成25年の文部省の調査によりわかりました。
一つの場所で長くアルバイトをしてしまうと、卒業後もそのまま働くことで収入があるので、就職をしなくなってしまう可能性が高くなってしまうのです。
また、お店側から卒業後も働いてくれと頼まれるケースもあります。断り切れない人が多いのは、義理を感じしてしまうからかもしれませんね。
しかし、「アルバイトは高校在学中だけ」と決めて、就職をするか大学進学を目指すようにすれば高校卒業後フリーターになってしまう可能性は減らせるでしょう。
まとめ
通信制高校在学中にアルバイトをするのはむしろ推奨されています。
社会勉強になりますし、他人と関わることができる機会でもあるので、どんどん経験するべきでしょう。
また、通信制高校はアルバイトの面接に通りにくいと言われていたりしますが、不利になることはありません。
むしろプラスの面がたくさんあるので、臆せずアピールするようにしましょう。
ただし、アルバイトに熱中しすぎるのは問題です。進学や就職をしなくなってしまう生徒もいるので、ほどほどにするようにしましょう!