通常、高校には偏差値というものがあります。
偏差値は、希望する高校に入れるかどうかの目安として使用されるものです。
全日制高校では当たり前のようにどの学校でも偏差値を使用していますが、通信制高校には偏差値があるか、気になる人も多いのではないでしょうか?
そんな通信制高校の偏差値についてまとめて紹介します。
目次
通信制高校には偏差値はあるのか
結論から言うと、通信制高校には偏差値は基本的にはありません。
全日制高校の場合は、中学生の段階で希望する高校の入学試験や面接などを受けて合格すれば入学することができます。
その場合は、今の自分の学力で通うことができる高校を選択します。
対して、通信制高校の場合は、中学在学中または中学を卒業している人が学校と同じレベルの学力があれば(中学校卒業程度の認定)入学することができます。
その理由は、入学試験がないからです。
入学試験のようなものはあっても、面接や作文を退出するようなものが多いので、学力に合否の判定が必要となることが少ないのです。
ただし、全ての通信制高校に偏差値がないわけではなく、偏差値を公表している通信制高校もいくつかあります。
偏差値として今の自分の学力を知りたい場合は、公開模試を受けてみると良いでしょう。
今の学力がどのくらいあるのかを知ることができます。
通信制高校がなぜ偏差値を出していないのか
通信制高校が偏差値を出してない最大の理由は、入学希望の生徒を受け入れる為です。
通信制高校に通っている生徒は、何かしら事情を抱えている場合があります。
例えば、小中学校の時に不登校を経験してしまっていたり、全日制高校の授業についていけなかったりなどが挙げられます。
様々な事情を抱えていても「高卒資格を取得したい」という希望に対して、生徒を落とす為の試験ではなく、受け入れるための試験を行ってくれます。
通信制高校から難関大学等に進学することはできるのか
通信制高校と言うと、勉強ができない生徒が行くところというイメージがあると思います。
しかし、そんな通信制高校であっても難関大学への進学は十分可能です。
自分が通いたいと思っている大学に必要な学力を身につけることができれば難しい話ではありません。
以前は、通信制高校の場合は、高卒認定試験を取得することがメインでした。
しかし、今は通信制高校ならではの単位制というものが導入されていて、それを活かしたカリキュラムを組み、大学進学の試験対策をしっかりと行ってくれる学校が増えてきています。
文部科学省の行っている「学校基本調査」によると2012年の調査では大学進学率は16.5%程度であったのに対して、2016年には17.5%に上昇しています。
この数字からわかるのは、大学進学を目指したい生徒が昔よりも増えていることがわかりますね。
また、年々AO入試の幅が広がってきている、というのも通信制高校から大学進学への後押しをしている要因の一つなのではないかと思います。
大学進学における通信制高校のメリット
通信制高校は、学校に毎日通う必要がないため、通学時間が一切かからず、自分のペースで好きな時に学習を進めることができます。
また、74単位を取得することができれば卒業することができるので自由にカリキュラムを組むことも可能です。
学習時間が自由にとれるということは、受験勉強に時間を使うことができるので、集中して取り組みやすくなります。
通信制高校は、勉強のやり方次第では全日制よりも受験勉強に集中して時間を使うことができる環境が整っているが最大のメリットです。
通信制高校の中には大学進学をしっかりとサポートしてくれる学校もあるので、全日制高校よりも進学率が高くなりやすいのです。
大学進学を目指すためにAO入試を狙うのもアリ
大学受験で一般入試を狙うのももちろんありですが、指定校推薦入試やAO入試で大学進学を目指す選択肢もあります。
一般入試の場合は、学力重視で入学できるかどうかが決まります。
しかし、指定校推薦入試やAO入試の場合は、普段の学業成績、課外活動などへの意欲や取り組み方、生活態度なども採点基準になります。
また、学力試験を行わず、面接や小論文の提出などがあるのも大きな特徴です。
AO入試は通信制高校に通う生徒にとってはメリットが大きくなりやすくなります。
というのも、AO入試は受験者の個性や特技などを重要視して選考していくので、通信制高校のような自由な学習スタイルを活かすことができます。
通信制高校に通いながら自分の特技やアピールポイントを増やしていくような生活をしていけば、非常に有利になります。
通信制高校で偏差値を上げる方法は?
小中学生の時に不登校を経験していても、通信制高校で学力を上げることはできます。
通信制高校で学力を上げる方法は以下のようなものがあります。
・自宅で自分のペースで学習を続けることができる
学力に合わせて授業やカリキュラムを組んでくれる
通信制高校は、大人数のいるクラスで授業をせずに、少数制でのクラスやマンツーマンでの授業が一般的です。
その為、生徒に合わせてカリキュラムや授業内容を組むことができます。
授業は、単位を取得するために行うものなので、比較的優しめになっています。
理解できてない部分から少しずつ確実に進めていくことができるので、自分に合ったペースで、自分に合ったレベルの授業を受けることができるのです。
また、カリキュラムも高校生レベルの授業まで学力がついていけてない時には中学生レベルから進めてくれるので、少しずつ、でも確実に学力をつけていくことができるのです。
自宅で自分のペースで学習を続けることができる
通信制高校の学習方法のメインは自宅学習でのレポートの作成です。
自宅で好きな時間に学習する事で、通学や他の人のペースに合わせて進めていく必要がないので、集中して取り組むことができます。
レポートを作成していくうちにどんどんと勉強がわかるようになると「もっと学びたい」と思えるようになるので、成績を伸ばしていくことも可能なのです。
通信制高校は目的に合わせて選ぶ
偏差値は学校を選ぶ上で大事な基準になりますが、通信制高校にはありません。
しかし、逆を言えば、偏差値がないからこそ自由に選択することができるということでもあります。それに、学習目的で選ぶこともできます。
なので、将来どんな道に進みたいのか、何を学びたいのかを考え、その上で学びたいことを学べる学校の資料を請求したり、説明会に参加してみたりすることができます。
「偏差値が足りないからあきらめよう」と思う必要はないのです。
まとめ
通信制高校は、不登校を経験したことがある生徒や何かしらの問題を抱えている生徒を受け入れるためにある学校なので、偏差値を出していない所が多いのです。
しかし、全日制同様に高校卒業資格を取得することは可能なので、大学進学に不利になることはありません。
学力が伴えば偏差値の高い難関国公立大学への進学も可能なので、やる気次第でどのレベルにでも手を伸ばすことができます。